労働安全衛生について
NPO法人徳島労働安全センターは労働災害や職業病を未然に防止するため、労働者の安全と健康に関する調査、相談、教育、啓発事業、衛生管理者の育成等々の活動を展開しています。
我が国の労働災害は関係者の努力のもと、長期にわたって減少のカーブを描いておりましたが、平成23年度から3年連続で増加しております。一昨年は減少したものの、昨年は再び増加傾向に転じており、特にこれまで労働災害防止活動に積極的に取り組んできた製造業、建設業、陸上貨物輸送業などで死亡災害が大幅に増加しています。さらに小売業や社会福祉施設、飲食店においても労働災害の増加傾向が大きく、極めて憂慮すべき事態であります。その背景には、景気の穏やかな回復に伴う産業活動の活発化に加え、これまで現場を支えてきた世代の退職、就業形態の多様化などにより安全衛生のノウハウが若い世代にうまく伝承されていないことや安全衛生教育、安全パトロールなどの安全衛生活動が十分に展開されていないことなどが考えられます。今日のこのような状況を打破するためには、経営トップの強いリーダーシップのもとリスクアセスメントや危険予知活動などの安全衛生活動の総点検の実施、事業場の安全衛生管理体制の充実、雇い入れ時教育の徹底を中心とした安全衛生教育の実施などに労使をはじめとした関係者が一体となって取り組んでいくことが重要です。また、心身両面にわたる健康づくり、とりわけメンタルヘルス対策の一層の充実が求められています。
こうした中、徳島労働安全衛生センターでは労働者参加型の職場改善活動の取り組みを進めて参りました。労働安全衛生法に則った法規準拠型の職場改善だけでは限界があることから、企業の責任のもと労働者、労働組合が参加し現場に即した職場改善の取り組みを行っております。
今年も現場での活動を一層広げ進めると同時に、大きな法改悪の流れも阻止しなくてはなりません。
企業内に衛生管理者育成を目的に、昨年も「安全・衛生管理者養成講座」を実施し「第一種衛生管理者」国家試験に対し素晴らしい成果を残しました。